ドクター

予防のための基礎知識

うつ

自分や周りに目を向ける

さまざまなストレス要因が存在する現代社会を象徴するかのようにうつ病の患者数が爆発的に増加しています。それほど広く蔓延しているにもかかわらず、うつ病の症状を正確に理解している人はまだまだ多くありません。万が一の場合に備えるためにも、まずはうつ病の症状をしっかりと理解しておくことが大切です。心の病と言われるうつ病ですが、その症状はこころと身体の両方に現れることを覚えておくことが大切です。こころの症状としては、気分が落ち込み意欲や興味が低下してしまう「抑うつ状態」が代表例として挙げられます。抑うつ状態は主に早朝から昼にかけて強く現れ、普段進んでやるような物事に対しても興味がわかなかったり、訳もなく自分を責めてしまったりします。しかし、昼以降の時間帯は通常の生活をできる人が多いので、身近な人でなければうつ病の症状が出ていることに気付きづらいことが難点です。そのため、生活を共にする家族が注意深く観察することが早期発見に最も必要なことと言えます。身体に現れる症状は多種多様ですが、睡眠障害や継続的な疲労感が代表的とされています。睡眠障害では、極端に寝つきが悪くなって眠れなくなったり、尿意に関わらず夜中に何度も目が覚めてしまったりします。さらに、身体を動かしていないのに激しい運動をした後のような疲労感が現れたり、休憩をとっても続く倦怠感などが現れたりします。ただの身体の不調であれば時間が経つと症状が緩和していくものですが、うつ病の場合はそれらが悪化していく場合がほとんどです。しかし、こころの症状とは反対に、身体の調子は当事者本人でなければ気づくことが難しいものです。普段から自分の体調を把握しておき、異変を感じたら早めに専門医に相談することが大切です。症状の現れ方に差があるとは言え、うつ病になるとこころと身体が両方不調になることが特徴的です。予防のためにできることは、うつ病の基礎知識を身に付けるとともに、自分や周囲の人々の異変に気付けるように注意を払うことです。そして、少しでも怪しいと思った際はためらわずに専門医に相談することが重要です。